ワックスの黒ずみの原因をご存知ですよね。
「洗浄が悪いから」その一言の回答で納得できますか?
私は納得できません、だから解説いたします。
黒ずんだワックス床ありますよね、毎度気合いをいれ、挑んでみたものの、一向にキレイなワックス皮膜に出会うことができない…..
たしかに、気合いでは
どうにもならない。
そもそも、黒いワックスの
中どうなっているの?
黒ずんだワックスの皮膜をアルカリ洗剤で洗浄を繰り返せば、「いつかきれいな皮膜が出てくる」と幻想をいだいている方もいると思います。
そんな私もその一人でした。
ワックスの仕組みを知ることで黒ずんだワックスへの戦いをやめ、別の方向へエネルギーを使うことができるようになります。
アルカリ洗剤を使用する時の希釈濃度
「ワックス床をキレイに維持するためには、洗浄で汚れを残さないようにする」と……、みなさんよく聞かされてきたとは思います。
たしかに先輩はそう言っていた。
しかし、ワックスの構造を知ると、そう簡単ではないことが理解できます。
綺麗に保つためにには、ワックスの構造を知り、ワックスを塗布した時に、汚れをサンドイッチしないような、手段で洗浄をする必要があります。
「なぜ適切に洗浄してワックスを塗っているのに、どうして床は黒ずむか?」原因を知らないと綺麗に管理できませんよ。
アルカリ洗剤の希釈濃度
床ワックス洗浄に使用する、一般的なアルカリ洗剤の濃度は50倍といわれています。
そもそも標準濃度とは?
私はこう考えます。
床面に洗剤を塗布したときに、濡れ広がる数値が標準濃度になっていると。
まんべんなく広がることが大事。
洗剤は濡れ広がることで効力を発揮する
洗剤濃度が適切でないと、ポリッシャーパッドが床に均一にあたりません。
適切な洗剤濃度とは、最低限、洗剤が床に塗り広がる濃度です。
ポリッシャーをかけた時にタンクからでた洗剤が床面で濡れ広がらずに、部分部分で島になっているようでは、洗剤濃度が薄いといえます。
この濡れ性はポリッシャーパッドを床に均一に当てるために重要なことです。
ガラス清掃でも、洗剤をいれると
一気に濡れ広がるよね。
アルカリ洗剤を使うときは反応させる
先ほどの繰り返しになりますが、洗剤が床にまんべんなく塗り広がるということがポイントでした。
ですので、アルカリ洗剤を使用して、均一な洗浄を目指すのであれば、洗剤を塗ることがポイントになります。
常に同じ仕上がりに再現性を持たせるのであれば、洗剤の濃度を決め、モップで床に塗り、決まったポリッシャーパッドを使用することで、仕上がりをコントロールすることができます。
再現性があれば、誰でも仕事可能。
洗剤を塗布する?しない?メリットデメリット。
床に洗剤を塗ることで汚れが良く落ちることは広くしられています。
しかし、タンク付きポリッシャーが一般的な昨今です。
今一度、洗剤塗布か?タンク洗浄か?
メリット・デメリットをお伝えします。
洗剤塗布のメリット、デメリットとは?
均一に研磨できる!
塗布すると転倒事故の心配が…….
タンク付きポリッシャーでの洗浄のメリット、デメリット
作業がスマートだよね。
たしかに、ポリッシャーの
跡が残ることあるよね。
アルカリ洗剤を使うなら知っておきたい、樹脂ワックスの構造
ワックスの構造を知らないと、「いつかキレイな皮膜に巡りあえる」という幻想をいだき、周りがみえなくなったように研磨を続けてしまいます。
たしかに汚ない皮膜って
なんかモチベーションが上がるのよ。
それに集中することで
周りが見えなくなってはいけないよ!
黒ずんだ床にモチベーションが上がることはよく理解できます。
私もその一人ですから。
しかし、「今本当にそこまでの作業が必要なのか?」思考しないと、チームに取り残されてしまいますよね。
「この黒ずんだ皮膜に時間を投資すれば、キレイさをコントロールできるのか?」
今一度考えるきっかけになればと思います。
樹脂ワックスの問題点
樹脂ワックスは1枚の完全なフィルム、ビニール袋のような完全体を想像してませんか?
実はワックスのフィルムは穴だらけなので、「汚れを簡単に通してしまう不完全なフィルム」です。
この不完全さがあるから、剥離清掃(ワックスを完全に除去)というリセットが可能になります。
この構造を知らないと、洗浄を繰り返せばいつか綺麗な皮膜に出会えるという幻想をいだいてしまいます。
穴だらけのチーズを想像してみて。
樹脂ワックスってどうなってるの?
ワックスの主成分は合成樹脂で0.1(μm)程度の粒子です。
樹脂ワックスを塗布して乾燥の過程で、水の蒸発とともに粒子と粒子がくっつく仕組みです。
- 完全硬化には日数がかかる。
- 完全硬化前は半熟たまご状態、汚れが入りやすい。
合成樹脂に、含まれるスチレンとウレタンは、時間の経過とともに黄色く変色をしていきます。
初めは綺麗な透明でも、徐々に黄色くなっていきます。
これは汚れではありませんよ。
完全に揮発するまでに数日を要する
ワックスは完全に硬化するまでに数日を要します。
図3では、定期清掃で乾燥したと判断したときの状態です。
図4が完全硬化した状態です、完全硬化に至るには数日を要します。
その間は半熟卵状態で、汚れが中に入りやすい状態です。
定期清掃の汚れの8割は
完全硬化前につく。
たくさんワックスを塗布すれば
汚れないは幻想なのね!
ワックスの製品によっては塗布後バフをかける(焼き付け)を推奨している製品があります。
柔らかい原因は溶剤成分です、熱を加えて飛ばすことで硬化を促進する目的があります。
アルカリ洗剤を使用すると汚れは深く潜る
今では違えど、私もワックスをビニール袋のような完全なフィルムだと勘違いしていました。
なぜ、ワックスは黒ずむ?
その答えを、洗浄が悪いからだ!
その一言で納得できない私は、黒ずんだ皮膜をキレイな皮膜がでるまで洗浄を繰り返しました。
結局、キレイな皮膜をみることは叶わず、剥離をしてみると、下の層まで真っ黒でした。
なぜ?なぜ?
穴だらけのワックスと比重の重い汚れ
繰り返しになりますが、ワックスの皮膜は不完全で穴だらけのフィルムです。
そのため、毎日モップで水拭きを繰り返すだけで、汚水が徐々に皮膜のなかに染み込んでいきます。
汚れは思った以上に比重が重いので、皮膜の下へ下へ潜っていきます。
水の比重は1。
汚水は1.05~1.20。
一般的なアルカリ洗剤は、汚れを皮膜から抜くのではなく、汚れごと皮膜を削り落とすためにつくられています。
洗浄することで落とせる皮膜もあるが、さらに奥底へ潜っていく汚れもあることに理解が必要です。
昨今においての洗浄は、
- ごっそり汚れごとワックスを深く削り取る
- ワックスを溶かさないで汚れを抜く
この洗浄方法がメインの時代になっています。
洗浄を繰り返せば綺麗な皮膜に巡りあうの幻想
さきほど、ワックスの皮膜は穴だらけで不完全であることと、汚れは比重が思いことを解説しました。
洗浄を繰り返せば、キレイな皮膜に巡りあえると、アルカリ洗剤を繰り返し使用して徐々に皮膜を薄くするという方法をいう人がいますが、これでは一生キレイな皮膜に巡り合うことはできません。
洗浄すれば、さらに奥深くまで落ちる汚れが存在します。
繰り返しますが、汚れは
比重が重いのだ。
幻想はすてて、剥離を提案するか、汚れを抜くというアプローチに変換するか、考えた方がコスパがよいのではないでしょうか。
ということで溶剤系のアルカリ洗剤があります
では黒ずまない床を維持するにはどうしたら良いかですよね。
この2点になります。
1、アルコール溶剤系のアルカリ洗剤でごっそり皮膜をとる
汚れは皮膜の深く深くに潜っていると想定して、ごっそりワックスを取り除く方法です。
各社から、この手の洗剤が出ていますので、チェックをしてくみてくだいね。
ここで強くお伝えしたいことは、この洗剤はメンテナンスの一環として使用するということです。
汚れてきたらから思いつきで使用するものではなく、年間スケジュールを立て、この月とこの月にワックスを塗ると、サイクルを決めた前提のメンテナンスで使用することが大事です。
メンテナンスで使う道具ってこと!
その解説は後日。
2、そもそも穴だらけのワックスを塗らない
第3の床維持剤をご存知でしょうか?
樹脂結合の仕組みが違う、まったく別の第3の床維持剤と呼ばれているものがあります。
剥離せずにキレイを維持できるという優れものです。
通称フロアシーラーです。
値段が高価です。
この手のケミカルを塗ることをおすすめします。
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まとめ
いかがでしたでしょうか、清掃でアルカリ洗剤を使う機会が多いと思います。
アルカリ洗剤を効果的に使用するには、ワックスの仕組みと洗剤の使いかたを理解することが大事ですよ。
洗剤の使い方や選択を間違えると、床を黒ずませてしまうことがありますので、仕組みを知ることはとても大事ですね。
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