清掃業で新人に教える機会がありますが、いつも教育方針が「量か質か」みたいな話になるわけです。
「ちゃんと教えないから」とか言われて…….
量をこなしてからでも質を求めることは十分可能です。
私は清掃業に就職する以前は犬の保護施設に勤務していました。
そこで色々な学びがあったのですが……これから、その経験で得た「質か量」の解説をしたいと思います。
量か質か?フリーシェイピングからみる。
突然ですがイルカに何かを教えることできますか?
どうやるか検討もつきませんよね?
もちろんイルカに「して欲しいこと」を言葉で説明しても通じません。
そして以下の状態ではイルカは逃げてあなたの足元には来ません、教育すらできません、イルカは自由ですから。
- モチベーションが高まらないトレーニング方法
- 何をして欲しいか伝わらないトレーニング方法
何が言いたかというと、新人に難しいことを要求しても逃げていきます。
逃げるというのは、この人何?って認識になります。
新人には、多少なりとも自分のペースで成長できる仕組みが必要ということです。
教育=情報の伝達は、双方向でないといけません。
そこで提案したいのが、フリーシェイピング的な教育方法です。
その前に量か質かの問題以前に教育の環境場所は適切か?という問題です。
量か質かの問題
新人にモップの拭き方を教えるときを想像してください。
その時に完全な動作を作ることはモップといえども難しいと思いですよね。
そもそも量をこなせばできる仕事がモップ拭きですよね。
教育はその動作が量をこなせばできるものなのか?
アドバイス本当必要?
繰り返せばできるよね。
質はあとからでも改善できることを知ることが大事です。
なぜかというと最初から完全を求めることは新人にとってストレスでしかない
アドバイスは、ほとんどおせっかいでしかありません。
アドバイスか?コントロールか?
本当にその人のことを思ってアドバイスしているのか?
相手をコントロールしようとしていないか考えたほうがよさそうです。
自分でなんとか覚えたいと思っている人もいます。
その人へのアドバイス、は経験の機会を奪うとも考えることができます。
相手からアドバイスを求められれば、解答をすればよいでしょうけど、積極的なアドバイスはどうかと思います。
私なんかは不器用ですので、そんな一度にあれもこれも覚えることはできません。
知りたいと思っていなことを押し付けられてもそれはおせっかいとしか思いません。
なので、アドバイスが必要になった=難易度を下げなければいけないという認識をもった方が建設的かとおもいます。
興味がでるように
教えることが大事。
- 本当にその人のことを思ってアドバイスしているのか?
- 相手をコントロールしてないか?
質か量か、その前に環境は適切か?
そもそも教える環境が適切かどうかも考慮が必要です。
まず犬の注目をとることからトレーニングが始まります。
人も犬も教える環境次第で集中や冷静さがなくなります。
トレーニング環境ですが。
「人混みの中」
「いつも生活している落ち着いた環境」
では集中力と冷静さに、とてつもない違いがでます。
もちろんトレーナーの
難易度も上がる。
だから新人に何か教えようと思ったら、その環境が適切かどうか?
まず考える必要があります。
私は小学校の特別教室に仕事でお邪魔しますが、その都度先生には申し訳ないと感じてしまいます。
おそらく先生の仕事の核になる部分は、生徒の注目をとる作業だと思いますから。
僕がいくと生徒の集中が
途切れちゃう。
フリーシェイピングとは?質か量の考察
VUCA時代で外の世界を知ることが大事ともいえます、考え方が多様化している時代ですから、自分の考えを常にアップデートしていく必要があります。
新人への教育を双方向的な方法にすると、相手の考え方を知るきっかけにもなります。
相手に一方的に教えるより、相手の反応をみながらステップアップする教育方法がVUCA時代に適した方法でないかと考えます。
外の考えを知る、
外の世界に踏み込む。
双方向の教育方法がフリーシェイピング的な方法になります。
フリーシェイピングとは?
イルカのトレーニングはフリーシェイピングという方法です。
このフリーシェイピングの方法がまさに「質より量」である証明です。
繰り返しますが、教育には双方向の参加型が大切な概念が大事です。
以下の動画でフリーシェイピングでは、保護犬に「お手」を教えている動画です。
トレーナーは動作を強要していないことに注目してください。
トレーナーが犬に使用するツールは、正解を伝えるYESの掛け声と、報酬のトリーツのみです。
あとは無言です。
ちなみに、この子は外にでると怖くて震えてしまう子です。
フリーシェイピング、なぜ動作を分解する?
お手の動作は、以下の順番で動作を作ります。
フリーシェイピングはトレーナーだけで完結しません、犬が積極的に参加しないと、成り立たないトレーニング方法です。
双方向のトレーニング方法と言えるでしょう。
それと対極の方法が犬の手を持ちお手と言いながら、一方通行で教える方法です。
シェイピングと一方通行のトレーニング、なにが違う?
さきほどの犬の表情をみてわかるとおもいますが、喜んでトレーニングしていると思いませんか?
むしろ興奮してくるとセッションを中止しないといけなくなります。
新人教育では初めから、難しいことを教え込まれても面白くありませんよね。
少しずつでも余白を残しながら、余白=自分で考える余地。
トレーナーが僕の出方を
待ってくれると嬉しい。
まずは、なんとなく動作を作ることが大事ってことです。
だから最初から質を求めて行動を作るのはメリットなしと思います。
質と量、双方向が大事な理由とは?
何度も双方向というキーワードを出しました。
一方通行は最初から質、完璧な動作を作ろうとします。
双方向は、相手の反応を見ながらステップアップする、相手を尊重し量を重んじると考えます。
フリーシェイピングは自発的な行動で動作がつくられるトレーニング理論になります。
仕事などを楽しみながら覚えることは自己肯定感につながりますよね。
そして、フリーシェイピングは常に考える習慣ができます。
実際に、フリーシェイピングでトレーニングした犬は明らかに性格に変化がでます。
繰り返しますが、質と量、質は最後でも
犬のトレーニングでの動作の完璧さ=質は最後に集中的にトレーニングしていきます。
フリーシェイピングにはメリットがあります。
自分に積極性や判断力が欲しいですよね、他責志向ではないですが、教育方針は大事です。
余白がある教育をされた部下は、自分でコントロールできることを探し、仕事に意味を見出すことができるように思います。
双方向のトレーニング=シェイピング的教育は自己肯定感を向上させるといえます
質を求めるはコントロールしようとしている?
自分の思った通りに動いて欲しい欲求が見え隠れしてませんか?
量をこなすのを見守ることも大事な教育であると、その中の失敗から自分の力で改善していくことも必要、だから学びがしやすい環境が大事ってことです。
失敗を肯定できる環境があるかどうかも大事なポイントですね。
環境って大事。
口出しばかりしていると、自分の力で改善する能力がつきませんよ。
双方向では、相手に考える余地を残します。
一方通行は自分の思いを押し付けます。
自分がされて嬉しいのはどっちでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
フリーシェイピングはどんな種類の動物にも使えます。
私は自信のない犬に積極的に使用していました。
フリーシェイピングは、汎用性がある教育方法といえます。
自分のペースで成長できる方法がフリーシェイピング的な教育方法ですよ。
最後になりますが、量か質かの問題ですが、繰り返しますが量が大切だと思います。
量を重んじるは、相手を尊重する教育方法です。
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