ポリッシャーを扱えることが清掃業の登竜門みたいに思われていた時代がありました。
今も昔もポリッシャーは一筋縄で扱えない道具の一つです。
力むほど暴れるポリッシャー
力づくでは操作はできないよ。
ここではポリッシャーの種類から使用方法を解説しようと思います。
私は年間60人近い人にポリッシャーを教えていますので、ポリッシャーが上手く使用することができずに悩んでいる方に、有益な情報を提供できると思います。
ポリッシャーとは?
初めてポリッシャーの威力を感じたのは、「床がみるみるうちに綺麗になっていた」光景です。
新人僕が清掃業に
興味を持った瞬間だ。
様々な床洗浄用品がありますが、ポリッシャーに勝る洗浄力をもつ機械はないと感じています。
床洗浄で唯一無二の機械だ!
実は、さまざまな床材に使用できるすぐれものなのです。
ポリッシャーの目的
ポリッシャーとは研磨、洗浄する機械になります。
様々な床建材の洗浄に使用されています。
ポリッシャーは洗浄だけではなく、
光沢を向上させるときにも使用するよ。
ポリッシャーの仕組み
ポリッシャーは、モーターで円形のパッドやブラシを回転させて、研磨、洗浄をする機械になります。
ポリッシャー本体に洗剤タンクがあれば洗剤を撒きながら洗浄することができます。
タンクがないポリッシャーはあらかじめ床に洗剤を塗布する手順になります。
あくまでも床を洗浄する
機械です。
タンクにワックスをいれて
使用できません。
ポリッシャー3種類を解説
ポリッシャーの種類は大きく分けて3つあります。
表にするとこんな感じです。
圧倒的に便利なポリッシャーはコードレスポリッシャーになります。
ポリッシャー種類 | 操作難易度 | 洗浄力 | 価格 |
コード付きポリッシャー | 難 | 強 | 標準 |
コードレスポリッシャー | 中 | 中 | 高い |
2ブラシポリッシャー | 易 | 弱 | 標準 |
ポリッシャーの種類でだいぶ
勝手が違うね。
コード付きポリッシャーが
一番主流だよ。
コード付きポリッシャー
一般的に使われているポリッシャーがコードつきポリッシャーになります。
電源があれば、どこでも使える便利さと、なんといっても壊れにくく、長く使えるコスパの良さが清掃業で長く使われている要因だと思います。
とはいえ、電源をお借りする特性上つねに心配が付きまといます。
作業中には気配り、維持管理のメンテナンスと……コードレスポリッシャーの出現で手間がかかる機械という認識もできます。
コードレスポリッシャー
コードがないのが特徴のバッテリー式ポリッシャーです。
ポリッシャーでの洗浄作業の3分の1はコードの操作に奪われていました。
作業場所 | 作業機種 | 実作業時間 | コード操作に 要した時間 | コード操作が 奪う時間の割合 |
事務所 | ポリッシャー | 06:00 | 02:05 | 35% |
事務所 | ポリッシャー | 03:01 | 01:01 | 34% |
教室 | ポリッシャー | 04:05 | 02:59 | 73% |
廊下 | ポリッシャー | 04:02 | 01:51 | 46% |
教室 | ポリッシャー | 06:26 | 02:39 | 41% |
コードレスポリッシャーは作業効率とポリッシャーを操作しながらコードを束ねるというスキルが必要ないのがメリットです。
ポリッシャーのコードを巻き取る練習の手間がいらなくなります。
テクノロジーは時間を変数にします。
バッテリーの駆動のため、値段が高いのが難点です。
ですが、先ほどの以下の心配事がなくなるのはコードレスポリッシャーの大きなメリットです。
2ブラシタイプポリッシャー
2ブラシタイプポリッシャーを使用するメリットは、女性と初心者が安心して使用できる、暴れないポリッシャーであることです。
本体が軽いため、洗浄能力は劣ります。
洗浄力不足を解消するための、ウェートが販売されています。
誰でもが使用できる道具は
仕事の選択肢が広がるね。
ポリッシャーのサイズ
ポリッシャーのサイズは様々な種類がありますよ。
作業場所の面積に応じてポリッシャーのサイズを選択します。
ポリッシャーサイズによっても、操作性や研磨力がかわります。
洗浄力は12インチが最強
安定性は16インチが操作しやすい
面積だけではなく作業内容でサイズを変更することもあります。
16インチポリッシャー
16インチポリッシャーは、体育館など障害物がなく広い空間に使用します。
16インチポリッシャーは、大きいので操作が難しいと思われがちですが、大きい分安定して床面を洗浄できます。
作業効率と安定感がある、ポリッシャーが16インチです。
広くて障害物がなければ
16インチは効率が良い。
14インチポリッシャー
ビルメンテナンスに使用される一般的なサイズこの14インチポリッシャーになります。
どんな環境にもマッチするサイズが14インチです。
ビルメンテナンスといえば
14インチポリッシャーだよ!
12インチポリッシャー
ハウスクリーニングや小規模な物件を中心に作業されているかた、軽自動車メインで活動されている業者さんは12インチが多い印象です。
12インチポリッシャーは、狭く、障害物の多いところで活躍します。
小さい割に洗浄力が強い傾向にあります。
このサイズより上は洗浄が面で当たり、12インチは点で当たることが要因かと思います。
狭いところも、汚れがきついところも
重宝される12インチポリッシャー。
8インチポリッシャー
階段やトイレに使用するポリッシャーです。
本体が軽いため、洗浄力は弱いですが、トイレの便器脇や階段に使用できことが大きなメリットです。
階段に使用できる機械は
限られる。
ポリッシャーの洗浄能力はパッドやブラシで変わる
ポリッシャーとポリッシャーパッドとは、切っても切れない関係。
パッド台にパッドを装着し床洗浄を行います。
主にパッドは床が平面のところ、床面がデコボコしているところにはナイロンブラシが適しています。
ブラシは石材に適しているよ。
ポリッシャーパッドの用途と種類
ポリッシャーパッドは色によって使い分けがされています。
明るく薄い色は研磨力が弱く、色が濃いほどに研磨力が強く洗浄力が強い。
洗浄力 | 用途 | ||
白 | 研磨剤が入っておらず、軽い表面洗浄に向いている | ワックスのツヤ出し作業、焼付作業用 | |
赤 | 研磨剤が入っているが床に汚れが食い込んでいないところ向き | 軽い汚れであればほとんどの床材で使用可能 | |
青 | 赤パッドより洗浄力が強い | ワックスに汚れが食い込んでいる場合に | |
緑 | 青パッドより研磨力が強い | 強いワックス汚れの洗浄に向いている | |
茶 | とても削れるので洗浄力は緑より強い | 準剥離や、頑固な床汚れに | |
黒 | 重汚染に用いられる程の洗浄力 | ワックスの剥離作業用 |
床材による使い分けと汚れ具合の見きわめが大事
カーペット用
カーペット用フロアパッドは、ポリッシャーに取り付けて洗浄やから拭きを行います。
パッドを裏返したり交換したりしてきれいな面でクリーニングを行います。
ブラシ
ポリッシャーのブラシは、平面ではないデコボコしている床材に適しています。
石材系に向いているよ!
ポリッシャーの使い方を解説。
行動形成(シェイピング)をご存知でしょうか?
ポリッシャー操作は分解して
覚えよう!
動作を分解してつくることです。
例えば、犬にペットボトルを持ってきてもらうは、大まかに分解するとこのようになります。
おおよそ動作ができたら、細かく動作を補修していきます。
質は最後です。
年間60人近い人にポリッシャーを教えていますが、初めから完全な動作を覚えるのは無理です。
行動は細く形成しましょう。
トレーニングは、
うまくいっているときに
セッションをやめよう。
スイッチ式のポリッシャーは、必ずスイッチが切りになっているのを、確認してからコードをコンセントに指しましょう。
操作方法
パッドが床に傾いて当たっていると、ポリッシャーが意図しない方法にいきます。
まずは、ニュートラルな位置(基準)ともいえる、水平を保つことから始めましょう。
1日10分でもよいので
練習してみよう。
水平を保つ
パッドが床にペタンと平らに密着している状態つまり、水平であれば、ポリッシャーその場で回転したまま、静止します。
水を出しながら練習すると、操作しやすいです。
パッドの水平の判断基準は以下のとおりです。
ここが一番大事。
カニ歩きで移動
ポリッシャーを水平を保つことができるようになれば、その状態でカニ歩きしましょう。
コード付きの場合は、ペアで練習して相手にコードを持ってもらいましょう。
ポイントは、自分の体の正面にポリッシャーがまっすぐなることを意識することです。
ポリッシャーは力づくでは
操作不可能。
壁などでの折り返し地点は一度止まり確実に一歩下がってから折り返します。
ハンドル操作
ポリッシャーで効率的に洗浄するには、ハンドル操作が必須になります。
練習すれば、
誰でもできる!
プロの現場でのポリッシャー洗浄は、カニ歩きではなくハンドル操作で洗浄しています。
ハンドルを少し上げると右へ、少し下げると左へ、を後退しながら繰り返します。
コード操作、水平ポジション
コード付きポリッシャーでの洗浄作業はコードが邪魔になるため、自分でコードを手繰り、ポリッシャー本体に巻き付けながら作業をします。
なかなか難しい!
まずは、ポリッシャーの水平を保った状態で練習しましょう。
コード操作、移動しながら
いよいよ最後です、移動しながらコードを本体に巻き付けていきましょう。
何度も繰り返して練習すれば必ずできる動作です。
このステップが難しいと感じたら、一旦前のステップから練習をやり直しましょう。
その日は諦めるでも
良いよ!
できないときは、レベルの
上げすぎかも、もっと細分化して
トレーニングしてみて。
量か質?
新人教育の時にちゃんと教えてからってありますよね?
量か質の問いです。
結論ですが、量をこなして質です。
新人がやることは、不完全でも量をこなすことです。
初めから質を求めて教えるのは、行動学に反しています。
つまり相手をコントロールしようとしているにほかなりません。
完全な動作は後からでも形成できます。
もちろんポリッシャーも量をこなせば、動作を覚えることができます。
犬のトレーニングも
質は最後だよ。
床の清掃方法
床を清掃することによって快適な環境や空間を提供できる、また床材の保護と管理が持続的に保たれるということを認識して作業を進めたいですね。
その作業工程を順番で紹介します。
床のほこりやゴミを除去
最初に床に落ちているほこりやゴミを、ダスターモップや箒クリーナーで取り除きます。
地味だけど基本なの
基本的な清掃ですがこの作業は重要で、怠ると最終工程のワックスにほこりなどが混じり仕上がり具合に影響がでます。
洗浄作業
ポリッシャーで水と洗剤を撒きながら、パッドやブラシで床の洗浄と磨きを行います。
ポリッシャーで行うこの作業は、人力で行うデッキブラシやモップがけの作業より効率が良く床面の汚れを簡単に洗い流すことができます。
効率がいい機械ですよ
その名はポリッシャー
汚水回収
床洗浄で出た汚水をウエットバキュームクリーナーで吸い取ります。
一気に吸ってくれます
大きな音がするからまわりに気をつけて
その際の汚水の回収は素早く行うことが肝心で、この作業に手間どうと汚水の水分が乾き、洗浄して浮かせた汚れがまた床に付着してしまいます。
汚水回収に使用するバキュームは、床の接地面が当たる部分にゴムが付いていて吸引することにより素早く作業ができます。
水拭き
バキュームでの回収作業後、床に残った汚水の水分を湿らせたモップで拭き取ります。
この工程ではワックスを塗る直前の大事な作業です。
大事、とってもとっても
ほこりや汚れた足跡などの拭き残しがない床を目指しましょう。
ワックスを塗布
最後の仕上げワックス塗布作業です。
奥から出口の方へ自分が作業した床部分を確認つつ後退しながら、基本は横に塗ってからもう一度縦に塗る格子塗りと呼ばれる方法で塗布します。
塗っている最中に乾かないよう素早く作業しましょう。
焦ってしまうとカスレの原因にもなるため、しっかり丁寧に尚且つスピード重視で仕上げます。
落ち着いて心を込めて塗ってください
今までの作業の全てを決める最終章だもんね
まとめ
たくさんの作業内容とそれに携わる作業道具などを紹介してきました。
どの作業工程も大事で、どの項目一つとっても必要不可欠です。
これから清掃業の仕事をする人には理解を深めてもらい、また長く経験がある人も基本に戻って新人の頃の気持ちを思い出してみてはいかがでしょうか?
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