剥離作業は特殊な作業です。
お客様と私たちの間でトラブルなく安全に作業したいので、お伝えさせていただきます。
安全に作業できるだけの、
- 時間
- 料金
をいただいて作業させていただきたいです。
ここから、剥離作業で急いで作業すると言うのは、お互いリスキーだということをお伝えしたいと思います。
まずは、剥離作業とは?
剥離作業とは、床ワックスを完全に取り除く作業になります。
床ワックスは、定期清掃を繰り返すことに劣化してき、黒ずむ傾向にあります。
または黄変と言い、経年劣化で変色を起こします。
その結果、美観が著しく下がってきます。
剥離をする?しない?
その認識はオーナーさんの判断によって変数ですが、
床にワックスを塗るということは、剥離作業をする時が来ます。
後で説明しますが、剥離作業は大変危険な作業で、建材にもリスクのある作業です。
剥離作業をできるだけ回避したい作業の一種であることは、お客様も施工業社も変わらない認識であります。
剥離作業後、長期間に渡り美観を維持する方法があります。
剥離作業後に塗布したワックスは長くワックスとしての機能が維持できるようにするには、剥離作業に思いっきり手を掛ける必要があります。
私はそのような施工をしたいという思いがあります。
剥離作業後は、昨今第3の床維持剤と呼ばれる商品があります。
- 汚れが入り込まない
- 黄変しない
このような特徴の特殊なワックスです。
剥離をした後は、第3の床維持剤を塗ることをお勧めします。
くりかえしですが、
剥離作業は特殊な作業になります。
お客様にご理解いただきたいこと、3つ
剥離の特殊性をお伝えしていきます。
通常のワックス清掃とは大きく異なる作業になり、
その違いは、3つあります。
- 圧倒的に手間がかかる
- 危険作業、建材を痛める可能性がある
- 汚水の廃棄処理または後片付けに手間がかかる。
この3つを解説していきます。
1、圧倒的に手間がかかる
剥離清掃は通常の床ワックス清掃に比べたくさんの工程が増えます。
下記の表はその違いを表したものです。
剥離清掃は作業工程が通常の床定期の倍です。
実際は2倍以上の手間がかかっています。
工程 | 通常の床定期 | 剥離作業 |
1 | 移動(無理のない範囲でものを移動する) | 移動(移動できるものは全て動かす) |
2 | 除塵(ゴミを取り除く) | 除塵(ゴミを取り除く) |
3 | ポリッシャーをかける | 養生(養生マスカーで洗剤から家具を守る) |
4 | 汚水回収 | 洗剤塗布 |
5 | 拭き上げ | 30分ほど反応させる |
6 | ワックス塗布1回目 | ポリッシャーをかける |
7 | 汚水回収 | |
8 | リンス洗浄 | |
9 | 汚水回収 | |
10 | 拭き上げ | |
11 | ワックス塗布1回目 | |
12 | ワックス塗布2回目 |
剥離作業はとにかく変数が多いことが特徴です。
移動や養生などの段取りは、備品が多ければ多いほど時間がかかります。
ワックスを剥がす剥離作業自体もワックスの厚さに比例して作業時間と洗剤の塗布量が変数です。
また、古く酸化したワックスは剥離性が悪く、作業が重労働になる傾向にあります。
一筋縄でいかない作業が剥離作業になります。
したがって作業従事者もベテランが行う特殊な作業になります。
もう少し詳しくポイントを解説します。
ここは、お客さまが良い業者を見定める上でも極めて重要なポイントです。
養生を怠る
ワックスが厚い、薄いにかかわらず、剥離作業は、養生必須です。
まず剥離作業と言うのは非常にトラブルが多い作業です。
大量の洗剤を使用する、なおかつ、アルカリ性の強い特殊な洗剤を使う作業です。
例えば、事務所での剥離作業。
その時に養生なしで、大量の剥離剤を床に撒けば大変なことになります。
洗剤が配線関係にかかり、ショートしたり、
または、インターネットケーブルや電話回線であった場合、お客様は営業や生活に支障がでます。
場合によっては、構造に欠陥があれば、下の階に汚水が伝って滲み出る可能性もあります。
または、オフィスなどで、スチールラックの下に剥離剤が入り込めばスチールラックが錆て、そのサビが床材に着色します。
こうなると床材に着色した錆は落とすことができません。
そしてまたは、ビニールクロスに付着すれば、後から変色が起こります。
養生を施すと言うのは、こういったトラブルを予防するために行う作業です。
養生と言うのは非常に手間がかかります。
時間がないと養生を徹底できません、例えば巾木全部、部屋全体を囲うように養生をしている事例はあまりせんが、絶対に剥離剤は壁に飛び散ります。
小便器に飛び散るおしっこのように、
養生というのは面倒な作業です。
広く何もない部屋を剥離するのと、事務所のようにたくさんのオフィス用品が敷き詰められた部屋を剥離するのとでは手間がえらく違います。
その辺のことを知らない営業員が多い。
この養生を徹底するには、お客さんから「時間とお金」を頂かないとできません。
トラブルなく作業するには時間が必要で、それに見合ったお金をいただくことも必要になります。
2、危険作業、建材を痛める可能性がある
剥離剤は素手で触ると、翌日には手の皮膚が剥けるほど危険な洗剤です。
そしてさらに怖いのは、剥離剤は大変滑ります。
剥離剤には、「もの」を溶解させる成分が入っています。
既存の床ワックスが溶解し始めるとドロドロになります。
そこはまさに、スケートリンクの上を歩くようなもので、非常に滑りやすく危険です。
床清掃とは言いますけれども、これは明らかに危険作業だと私は認識しています。
実際に転倒する例もたくさんあります、ヘルメットを着用して作業を行うほどです。
危険作業であることが、剥離作業の特殊性を高めています。
さらに、
建材にも影響がでる場合があります。
建材を痛める可能性があるということです。
直接的に影響が出るのは床材を貼り付けている糊を剥がしてしまう可能性があると言うことです。
剥離剤は物をとかします
特に古いピータイルは剥がれやすく、タイルが沿ってしまう可能性もあります。
そこはご理解いただきたいと思います
3、廃棄処理と後片付けに手間がかかる。
剥離作業後の床には洗剤成分が残っています。
そして床面が強いアルカリ性になっており、その床面を中性に整えるリンス作業があります。
このリンス作業を怠ると、ワックスを塗っても
- ベタベタする
- 強度がでなかったり
- 変色する
このような結果になります。
リンス作業を施したか?していないか?これは、見えない領域ですので、いくらでも手を抜くことは可能です。
今後の維持管理に大きく影響してくるリンス作業。
これをしっかりするには、やはり「時間」と「お金」が必要です。
さらに剥離ででた廃液は、産業廃棄物になります。
これも追加で費用がかかってくる部分です。
そして剥離に使用した資機材は、既存ワックスが厚ければ暑いほど、廃棄しなければいけない道具が出てきます。
そういったことを考えると剥離作業はしっかりと時間とお金をかけることが大事です。
仕上げには、汚れが入りにくく、変色しない第三の床維持剤を塗布し、剥離までの期間を延ばすことが可能になります。
私の経験では、一般的に使用されるワックスを剥離後塗布した場合一年間は綺麗に維持管理できます。剥離経過1年後に一度ワックス塗布を行うと、一気にメンテナンス性が下がり、半年単位でのワックス掛けが必要になります。
メンテナンス性というのはワックスの柔軟性がおち、汚れがつきやすく、清掃に手間がかかるようになってきます。
定期清掃時、入念に洗浄して黒ずみは防げても、変色は防ぐことはできませんでした。
その点第3の床維持剤は数年間に渡りクリアな皮膜を維持していることを確認しています。
まとめ
剥離作業は、しっかり時間とお金を投資して作業することで、維持管理費用を削減できます。
剥離作業を成功させるポイントは3つです。
- 養生を徹底する
- リンス作業の徹底
- 仕上げは第3の床維持剤を塗布すること
この条件が揃っていなければ、お客様の資産を守れなかったり、作業員が怪我をしたりと言うリスクがあります。
ご理解いただきたいと思います。
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